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奮闘中のふり
by tackysouvenir
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Magic Play is Dancing
私は高校生の頃マサチューセッツ州に住んでおりました。
人生二度目の渡米で、一年間という期間限定で日本人も大勢いたので、ホームシックにかかることもなく生ぬるい環境でムクムクとひたすら肥ゆる日々でございました。
どのくらい肥えたかというと、9月に渡米した時点で38キロだった体重が(誰も信じてくれないだろうけど私はすごく痩せていたのだ)クリスマスには55キロになっていたくらいで。
太っていた話はいいのよ。
今も当時と大差ないくらい太ってるしな。



そこはほぼ全寮制(学校の近所に住む"day hops"と呼ばれる通学組もいた)で、一番でかい寮の地下室にはテレビとビデオデッキが備え付けられていたのです。
いつも誰かが MTV をつけていて、枕サイズのポテトチップスを食べながら(だから太るんだ)、エアロスミスの Rag Doll の PV の最後のほうを見て外人も日本人もコーフンしたりしていました。
スティーブンタイラーって本当にかっこいいですね。
ちなみにその頃はやっていたのは、Dirty Dancing という映画のテーマ曲、ジョージマイケルの I want your sex、ティファニーの I think we're alone now(私はこれを歌詞を見ないで歌える)などなど。
ガンズが登場してエアロとデフレパードが奇跡の復活を遂げた思い出深い時代でした。
ある日、日本人留学生の一人が家族に送ってもらったビデオを持ってきました。
夜のヒットスタジオかなんかだったと思います。
外人どもに日本のポップスシーンを見せて度肝を抜いたるで(私はすごく恥ずかしかったが)というわけで、ガチャコンとビデオを入れたわけさ。
たしかその頃の日本では、ローラースケートで歌い踊る男性アイドルグループが爆発的な人気を博していたはず。
ついでに菊池桃子が光るスパッツでバンドを組んでいたらしいですね。
そんな時代の音楽番組に誰が出るかと思ったら、あーた、杏里ですよ。杏里。
見つめてキャツアイ~マ~ジックプレイ・イズ・ダンシン~の杏里ですよ。
さて、外人さんたちの反応やいかに?
なんと異口同音に「彼女はとてもゴージャスだ」と!
そして「お前たち(日本人留学生)は全員このプリティーなシンガーと同じ顔をしている。そしてそれはとてもうらやましいことである」と。
その場に居合わせた日本人は「この変な顔がゴージャス?しかも全員似ている?」と挙動不審に陥ってしまいました。
私は「日本でこの人はゴージャスという扱いではないし、私たちは誰一人として似ていないのだ!てゆうか似てるって言うなー!!!」と猛抗議しましたよ。
杏里=ゴージャス→日本人女=全員杏里似→日本人女=ゴージャス、要するに私たちの外見をうらやましがっている外人さんたちは完全にキョトンです。
今より勇気があって流暢だった会話力を駆使して「シー・イズ・ノット・ゴージャス・アット・オール!ウィー・ドント・ルック・ライク・ハー!」(←全然流暢じゃない)と熱弁をふるう私でしたが、こちらの乙女心と真意が伝わることはなかったのです。
これぞまさにカルチャーギャップ。美醜の感覚に国境あり。
ビデオが終わって(杏里以外誰が出ていたか思い出せない)、部屋から去ろうとしたとき、私の座っていた位置に円形のウレタン的な物体が落ちているのを発見しました。
それはブラジャーのパッドでした。
パッドが落ちるほどの熱弁て!
by tackysouvenir | 2007-12-06 12:15 | miscellaneous
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